95 ％の人が一生のうちにニキビを経験するとされており、ニキビケア製品はスキンケア市場で高い需要を誇ります。麦田創投産業研究院のレポートによれば、世界のニキビケア用品市場規模は2025年に132億ドルに達する見込みです。2019年から2023年にかけて継続的な成長を遂げており、2030年には1 40億ドル近くに達し、今後6年間の複合年間成長率（CAGR）は約8 ％と予想されています。
ニキビケア製品の中ではマスクやクールパッチの市場シェアが最大ですが、最も成長が著しいのがニキビパッチで、2023年にはシェアが1.3ポイント増、売上は32.9 ％増加しました。この傾向は、ニキビパッチに対する消費者ニーズが高まっていることを示しています。
01 市場を変えたニキビパッチ
当初のニキビパッチは主に分泌物の吸収や患部のカバーに特化した製品でしたが、技術進化により、油吸収・抗炎症・修復など多機能化しています。素材や形状も多様化し、従来の目立たないものから、星型や水滴型など、ファッションアイテムにもなるデザインへと進化しています。
Instagramなどでは、ファッションウィークでアクセントに用いられ、モデルや芸能人にも人気に。米国ブランド「Starface」（2019年創業）はこの潮流の先駆者で、透明ではなく五角星のパッチで話題に。創業者Julie Schottは、ニキビの恥ずかしさから人々を解放したいという思いでこの製品を開発しました。
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代表作「Hydro‑Stars」はFDA医療機器に分類され、星型デザインが遊び心を演出。笑顔の黄色いキャラクターを用いたブランド展開で、若年層の支持を集めています。
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02 セレブとSNSで拡散
StarfaceはDTCモデルで開始し、後にTarget、Amazon、Walmartなどへ展開。2023年は流通チャンネル全体で前年比212％増、Amazonでは153％増の売上を記録。代表製品Hydro‑Stars Big Yellowは、Amazon美容・個人ケアカテゴリーで総合2 681位、シミ・スポットケア部門34位、レビュー7 264件を獲得しました。
独自公式サイトの月間閲覧者は12万～20万人、うち54.1 ％が米国からで、SEO経由の流入が34.5 ％、そのうち86 ％がブランド名検索です。SNSではTikTokに6000万超の投稿があり、Starfaceはファッションウィークにも進出しています。
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03 ニキビパッチからリップケア製品へ
創業以来、ニキビパッチを“自己表現ツール”へと変革させたStarfaceは、次にリップバーム「Star Balm」を展開。シアバターやココアバター、ココナッツオイルを配合し、笑顔ロゴ入りのパッケージで発売。TikTokで有名人（Pink Pantheressなど）が紹介して話題に。
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ブランド総裁のKara Brothersは、「顧客の日常にもっと楽しさを」と語り、ブランド価値である“楽しさと透明性”を重視。ブランドの透明性や真摯さがSNSやメールでのファンコミュニケーションにも反映されています。
まとめ
Starfaceは、スモールカテゴリ製品でも発見と差別化で爆発的ヒットを生むことを示しました。ニキビパッチという一見地味な商材も、ファッション・SNS・ブランド戦略を通じて大ヒット商品へ昇華。市場にはまだ眠る“意外な商機”があり、先を見通す視点とクリエイティブさが勝負の鍵となります。
- 世界のニキビケア市場は2025年に132億ドル、2030年には140億ドル規模へ
- ニキビパッチは2023年に売上32.9%増で最も成長が著しいカテゴリー
- Starfaceは星型デザインでニキビパッチをファッションアイテムへ変革
- 2023年は流通チャネル全体で前年比212%増の売上を達成
- TikTokで6000万超の投稿があり、セレブも愛用
- FDA医療機器認定を受けつつ、ファッション性を両立
- リップケア製品へも展開し、ブランド価値を拡大
- 「楽しさと透明性」をコンセプトに若年層から支持獲得
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