キーワードリスト構築は越境ECビジネスにおいて不可欠な要素です。
新商品開発時には開発チームが市場調査を行うことが一般的ですが、運営担当者も同様に重要な役割を担っています。開発チームが立ち上げた新商品について、競合商品の調査は必須です。
競合の運営戦略が自社のプロモーションに適しているかどうかは、商品の成功を左右します。優れた商品があっても、適切なプロモーション計画がなければ成功の可能性を最大化できません。商品と運営のプロモーション戦略は相互に補完し合うのです。
このキーワードリスト構築は、運営担当者が商品を調査・理解する第一歩です。これは後の販売促進やブランド広告の核となる重要な要素となります。
Amazon販売におけるキーワードの重要性
Amazonは検索中心のECプラットフォームです。このため、キーワードは非常に重要な要素となります。キーワードは顧客のニーズを具体的に表すものであり、Amazon市場での競争において戦略的な資源となるのです。
キーワードリスト構築の目的
キーワードリスト構築の主な目的は、Amazonでの商品検索の可視性向上です。また、コンバージョン率の改善によって売上と市場シェアを拡大することにあります。
正確で効果的なキーワードリストを作成することで、セラーは顧客のニーズをより深く理解できます。これにより、商品リスト(Listing)の最適化や広告運用の効果を向上させることができます。
キーワードは消費者の具体的なニーズの表れです。そして、キーワードの集合は消費者のニーズの集合でもあります。この視点はキーワードリスト構築において重要な概念です。
キーワードリスト構築の基本原則
①包括性の原則
自社商品と消費者のニーズが一致するすべてのキーワードを網羅することが重要です。キーワードの集合が示す市場こそが、商品の潜在市場全体を表しています。
では、どのようにキーワードを収集すれば包括性を確保できるのでしょうか。以下に主要な収集方法を紹介します。
1、ABA人気検索キーワードの取得
高類似の競合商品を特定します。具体的には、小カテゴリーBSRランキングで上位10商品程度を選定します。または、商品のコアキーワードを基にします。
これらを使って、Amazonのブランド分析(ABA)で検索し、データをダウンロードします。このプロセスはキーワードリスト構築の基盤となります。
2、検索サジェストキーワードの収集
Amazonの検索バーに商品コアキーワードまたは関連語を入力します。表示される検索候補からキーワードを収集します。これにより、消費者が実際に使用している検索語を把握できます。
✅ キーワード流入割合
キーワードリスト構築における各ソースの重要度は次の通りです:
- ABA人気検索ワード → 約85%
- 検索サジェストキーワード → 約10%
- その他のソース → ごく少数
このバランスを意識することで、効率的なキーワード収集が可能になります。
②正確性の原則
キーワードには様々な種類があります。具体的なものから広義のものまで幅広く存在します。自社商品のセールスポイントとの関連度も「高・中・低」に分類できます。
また、完全に関連性のないキーワードにも注意が必要です。これらは広告で「除外キーワード」として設定する際に活用できます。
キーワードの関連度を評価する最もシンプルな方法があります。各キーワードをAmazonで検索し、検索結果ページに表示される類似商品の数を確認します。これにより、キーワードの関連度を評価し、主観的に判断できます。
③動的更新の原則
市場トレンドは常に変化しています。顧客の検索ニーズや検索習慣も同様です。そのため、キーワードリスト構築は一度で終わりではありません。
定期的に更新・メンテナンスを行い、市場の変動を適時反映する必要があります。この継続的な取り組みが、長期的な成功につながります。
キーワードリスト構築の実践手順
ここでは「犬用水入れ」を例に、キーワードリスト構築の具体的な手順を解説します。

競合調査の実施
まず、対象カテゴリー内で上位にランクインしている競合商品10点を特定します。それぞれのASINを記録しておきましょう。
競合商品の選定は、自社商品と類似性の高いものを選ぶことが重要です。BSRランキング上位の商品だけでなく、デザインや機能が似ている商品も検討対象にすべきです。

ABAデータの取得方法
次に、Amazonセラーセントラルの「ブランド分析」へアクセスします。そこから「検索分析」→「人気検索ワード」へ進みます。
商品の属するカテゴリーの最大市場規模の月を選択します。そして、先ほど記録したASINを入力します。「詳細結果を表示」をクリックすると、関連するすべてのキーワードリストが表示されます。
最後に「ダウンロード」をクリックし、データをローカルに保存します。このデータがキーワードリスト構築の基礎となります。
SellerSprite(セラースプライト)での分析
SellerSpriteのウェブ版にログインします。トップナビゲーションから「機能」→「キーワードマイニング」へ進みます。

画像:セラースプライトHP
「キーワードを一括分析」に切り替えます。先ほどダウンロードしたABAのキーワードをすべて入力し、「検索」をクリックします。このツールを使うことで、キーワードリスト構築の効率が大幅に向上します。

キーワードリストのエクスポート
データを選択し、エクスポートします。取得したキーワードリストには、重要な指標が含まれています。

主な指標は以下の通りです:
- ABAランキング
- 月間検索数
- 月間販売数
- 購入率
- クリック集中度
- トップ3ASINの転換率
- PPC入札単価
これらのデータを基に、広告運用の指針を策定できます。結果として、無駄な広告費用を削減することが可能になります。

画像:セラースプライト-キーワードマイニング-データダウンロード
キーワードリストのデータ加工と活用法
1.キーワードのランク分け
ABAランキングを基準に、キーワードを次のように分類します:
- ABA10万位以内:「ビッグキーワード」
- ABA10万~50万位:「ミドルキーワード」
- ABA50万~100万位:「ロングテールキーワード」
具体的なランク分けは、運営のスタイルに応じて調整可能です。ビジネス規模や競争環境によって最適な分類は異なります。
2.キーワードの関連性分類
各キーワードをAmazonで検索します。検索結果の類似商品数を確認して関連性を評価します。
高・中・低の3段階で分類し、運営戦略に適したキーワードを抽出します。この作業は時間がかかりますが、効果的なキーワードリスト構築には欠かせないプロセスです。
3.実際の広告運用への応用
分類したキーワードは、広告運用で以下のように活用できます:
- ビッグキーワード:ブランド認知向上のための広告に使用
- ミドルキーワード:コンバージョン獲得を目的とした広告に使用
- ロングテールキーワード:ニッチ市場開拓やコスト効率の良い広告に使用
関連性の高いキーワードは優先的に使用し、関連性の低いキーワードは除外キーワードとして設定します。このような戦略的な活用がキーワードリスト構築の最終目標です。
まとめ:効果的なキーワードリスト構築のポイント
キーワードリスト構築は、Amazon運営において最も重要な基盤の一つです。以下のポイントを押さえることで、効果的なキーワード戦略を実現できます:
- 包括性、正確性、動的更新の3原則を常に意識する
- ABA人気検索キーワードを主軸に、検索サジェストで補完する
- 競合調査を徹底し、上位表示されている商品から学ぶ
- キーワードをランク別・関連性別に分類し、戦略的に活用する
- 定期的なデータ更新と市場トレンドの反映を怠らない
- キーワードデータを商品リスティングと広告運用の両方に活かす
- ツールを効果的に活用し、効率的なデータ収集と分析を行う
これらのステップを実践することで、商品の可視性向上とコンバージョン率の改善が期待できます。結果として、売上と市場シェアの拡大につながるでしょう。
キーワードは消費者と商品をつなぐ架け橋です。効果的なキーワードリスト構築が、Amazon販売成功への第一歩となります。
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